グリーンエネルギー革命

グリーンエネルギー革命とは

グリーンエネルギー革命が、日本の成長力を高め、新しい経済成長のエンジンとなる

今や皆さんの家庭や普通の企業でも、太陽光発電やエネファームのような設備を利用して「創エネ」ができるようになりました。また蓄電池や電気自動車のバッテリーに「蓄エネ」を行い、必要な時に取り出して使うこともできます。さらにLED照明の普及やピークシフト料金の導入により、「省エネ」も前より手軽になっています。

このような取り組みの先には、家庭でも電力会社や電源を自由に選べるようになる未来が見えてきています。地域にあった再生可能エネルギーを活用するエネルギーの地産地消や、IT(情報通信技術)を使って最適なエネルギー利用を行うスマートシティーもその一つです。 これが、グリーンエネルギー革命です。

私は、政府エネルギー環境会議の議長として、2012年9月14日に「革新的エネルギー環境戦略」をとりまとめ発表いたしました。これは昨年起きた福島での原発事故を踏まえて、これまでの原発推進政策を大転換し、「原発に依存しない社会の一日も早い実現」へ向けて大きく舵を切る政策です。

その実現へ向けて、政府はすでに始まりつつあるグリーンエネルギー革命をさらに加速度を上げて推進することとしました。またこれまでのエネルギー利用のあり方を根本から見直し、省エネルギーや再生可能エネルギーを中心とした分散ネットワーク型の新しいエネルギー社会を構築することとしました。これらは、皆さんが参加して初めて実現するものです。

私はこのようなグリーンエネルギー革命が、IT革命によく似ていると思います。

IT革命とグリーンエネルギー革命

長期にわたって経済の低迷にあえいでいたアメリカでしたが、1990年代に入って起きたIT革命を契機に、多くのベンチャー企業が生まれ、それらの企業がイノベーションを先導して、アメリカの成長力を底上げし、それが90年代後半から2000年代にかけての新たな経済成長のけん引役となりました。日本においては、このグリーンエネルギー革命が、新たなイノベーションの実現によって日本の成長力を高め、新しい経済成長のエンジンとなる大きな可能性を秘めているのです。

また、IT革命により個人がブログやツイッターを通して情報通信の主役になりましたが、グリーンエネルギー革命の主役も、皆さんです。一人一人がこれを自分の問題としてとらえ、積極的に参加すれば、エネルギー利用のあり方は大きく変わるのです。

みんなで一緒にグリーンエネルギー革命を実現して、原発に依存しない新しいエネルギー社会をつくりましょう!

古川 元久